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04.EM関連資材の作り方、使い方

4-2. EMボカシ

1) EMボカシとは

 EMで有機物(米ヌカ・油カス・魚カスなど)を発酵させた資材で、いわゆる一般でいう「ボカシ肥」と同じようなものですが、嫌気状態で作製するのが特徴です。メリットとしては、

  1. EMボカシの製造発酵過程でEMを増殖させ、その密度を高めます。
  2. 土に入れてからもEMを増殖させるためのエサ(基質)としての役割も果たします。
  3. この資材の活用はEMの増殖と定着を促進させるのが主な目的ですが、作物への養分供給にもなります。
  4. さらに、EMボカシを水に浸し抽出させた、『浸出液』を利用したり、生ごみや収穫残渣などをボカシと一緒に発酵させる方法もあります。

 また、ボカシを必要以上に多量に使うと、土壌の富栄養化が起こり、病虫害をうけやすくなる場合もあります。土壌の栄養状態がよすぎる場合は、EM活性液をふんだんに利用してください。

2) EMボカシの種類

 EMボカシは材料の種類によって2つに大別されます。

  1. EMボカシⅠ型(低栄養土壌改良型)
    米ヌカとモミ殻を材料に作ります。主に水稲の秋処理や有機物・生ごみ発酵処理などに使います。
  2. EMボカシⅡ型(高栄養養分供給型)
    米ヌカに油カスや魚カスなど窒素含量の多い材料を混ぜて作ります。
    EMボカシは、水田の雑草対策用の田植後に用いる未熟なEMボカシ以外は一ヶ月以上の発酵期間をとったタイプが主流となっています。

3) ポイント

EMボカシ作製方法は以下に説明しますが、上手な作り方のポイントは3点あります。

  1. 水分を適度に保つ(30~40%)
  2. 密閉(嫌気)状態を保つ
  3. 適度な温度を保つ

4-2-1. EMボカシを作る材料(一例)

1) 主原料

(1)ボカシⅠ型の場合

材料 使用割合  
(1) 米ヌカ 90kg 材料の乾燥状態や混合比率の割合により水分量が違いますが、100kgの主材料に約20~25L前後のEM・糖蜜混合希釈液(100倍)が必要です。
(2) モミ殻 10kg

※米ヌカの水分量が15%で、ボカシの水分量が35~40%にする場合

(2)ボカシⅡ型の場合

材料 使用割合  
(1) 米ヌカ 60kg 材料の乾燥状態や混合比率の割合により水分量が違いますが、100kgの主材料に約20~25L前後のEM・糖蜜混合希釈液(100倍)が必要です。
(2) 油カス 20kg
(3) 魚カス 20kg

※米ヌカの水分量が15%で、ボカシの水分量が35~40%にする場合

 その他、材料に使用できるものには稲ワラ、モミ殻、オカラ、ビ-ルカス、粉炭、ゼオライト、カニ殻など色々ありますが、安価で入手しやすく雑菌の繁殖していない新鮮な有機物であれば、材料は何でもかまいません。ただし、有機物には分解しやすいものと分解しにくいものがありますので組合せを工夫してください。また有機物は微生物のエサになるのと同時に速効性の養分供給資材にもなりますので、作物や圃場ごとに適した材料や混合比率で使用してください。

※ 有機物資材の成分は、有機物資材の成分表を参照してください。
※ 米ヌカだけを材料とすると固まりやすいので別の材料を混ぜると作りやすい。

2) EM・糖蜜混合希釈液(100倍)の材料

材料 使用割合  
(1) EM・1™ 200~250ml この場合、20~25Lの水にEMと糖蜜を希釈し、100倍の混合希釈液を作ります。
(2) 糖蜜 200~250ml
(3)水 20~25L

※水道水の場合は、浄水器を通すか、または一昼夜汲み置きし、塩素を取り除いたほうが良い

4-2-2.EMボカシの作り方

  1. 1.糖蜜を溶かす
    (1) EM・糖蜜混合希釈液
     200mlの糖蜜を1L程度の熱湯で溶かします。糖蜜は水では溶けにくいため、必ずお湯を使います。お湯の使用量は水の使用量に含めてください。
     ※ 古い糖蜜や品質の悪い糖蜜を使う場合、一度この糖蜜希釈液を煮沸して雑菌を死滅させた方がよく発酵します。
  2. 2.EM・糖蜜混合希釈液
     これに19Lの水を加えて100倍の糖蜜希釈液を作ります。その糖蜜希釈液に200mlのEM・1を加えて、EM・糖蜜100倍混合希釈液を作ります。
     ※ この希釈液は、主材料(米ヌカや油カスなど)と混ぜ合わせる3日前に作るとEMの活性が高まり、発酵がスムーズに進みます。余裕がなければ当日でも良いです。
  3. 3.混合
     米ヌカ、油カス、魚カスなどの主材料をよく混ぜ合わせます。その後EM・糖蜜100倍混合希釈液をジョウロなどで加えながら水分が均等になるようによく混ぜ合わせます。
     その時、全体の水分が35~40%になるように、混合液をかける量を加減します。水分が少ない場合はさらに水を加えて加減します。

    <注意>

    (1)水分の目安は混ぜ合わせた材料を強く握ると、団子になる程度で、触ると壊れるくらいの状態です。
    (2)水分が過剰になると腐敗になりやすく、逆に少なすぎると発酵が進まないので、充分注意してください。
    (3)水分を加えすぎるとその後調整しにくいので、EM・糖蜜100倍混合希釈液は最初10Lくらいを加え、状態を確認しながら残りを加えるようにすると失敗がありません。
  4. 4. 密閉
     混合したものを厚手のビニール袋に入れ、口をしっかりと閉め、密閉して嫌気状態にし、直射日光の当たらない場所で発酵をさせます。また、これと同じ条件を設定できるものであれば、ビニール袋にこだわらずに、大型のポリドラムなどでも構いません。

    <注意>
    (1)薄いビニール袋の場合、破れやすく空気が入る恐れがありますので、厚手のものを使用してください。薄手のビニールを使用する場合は2~3重にして使用してください。
    (2)右の図のようなポリドラムで発酵させる場合、材料を容器一杯入れてください。すき間があるとうまく発酵できないことがあります。
  5. 5.発酵期間
     発酵期間は長ければ長いほど(45日以上)、嫌気状態で発酵させると良いものができます。また、平均気温の積算温度600℃以上も一つの目安になります。ただし10℃以下の気温の場合は積算しないでください。それから、ボカシの温度が50℃以上にならないように注意してください。袋に穴があいて空気が入ると50℃以上になる場合があるので注意してください。
    積算温度の例(平均気温が20℃の場合)
    20℃×30日=600℃
  6. 6.発酵場所
     発酵はできるだけ暖かい所で行ってください。EMボカシの発酵適温は25~35℃です。特に初期(1週間程度)は高めの温度管理をして頂くと良い発酵になります。冬期などの気温が低い時期は、古い保冷庫のような倉庫で加温するなどの工夫をしてください。
  7. 7.完成
     EMボカシ完成の判定基準は、pHが5以下であることに加え、甘酸っぱい発酵臭がして、また良い芳香臭がすることです。いやな腐敗臭がすれば失敗です。
     表面に白いカビが発生することがありますが、これは問題ではありませんが、青カビや黒カビが発生すると失敗です。
  8. 8.保管
     EMボカシの保存は、仕込み状態のまま嫌気状態を保ち続けて保存します。密閉状態が保たれていれば、長期保存が可能です。
  9. 9.大量生産
     大量に作る場合は、右のイラストのように大きな容器や木枠などで作ることもできます。
     その場合、ビニールを3重ぐらい重ねて、上部に石などの重しを置きます。
     空気が入ると高温になりますので密閉状態を作る工夫をしましょう。

4-2-3.EMボカシの商品の紹介

 コストを考えるとEMボカシは農家自らが作ることが基本ですが、労力がないとかEMボカシの良いものができないという方は、市販されているものを購入してください。

 また、試験的に導入したい方も、下記のものを利用されて、効果を確認されると良いでしょう。


商品名「EMスーパーアグリ」
 日本食品工業(株) TEL 0859-44-0218 FAX 0859-42-6456

商品名「スーパーネイチャー」
 大和肥料(株) TEL 06-6499-6842 FAX 06-6499-6829

商品名「EM米ぬかペレット」
 池田産業 TEL 0299-96-3041 FAX 0299-97-0295

4-2-4. 使い方

1) 施用

  作物や地力によって100~300kg/10a程度を目安に施用します。

※ EMボカシだけでは土づくりはできません。

 土づくりは、土を柔らかく保ち、養分を保持する能力のある腐植を蓄積することが必須条件となります。この腐植は緑肥や堆肥、作物残渣(稲ワラなど)などの粗大有機物を投入することによって蓄積することができます。EMボカシだけを投入しても腐植は蓄積されません。

 また、粗大有機物やEMボカシは、できる限り表層施用することが望ましいです。

2) EMボカシ浸出液

 畦にビニールマルチなどをかけた場合などは、EMボカシを追肥的に施用できないので、『EMボカシ浸出液』を作製し、EM希釈液と同じように液状にしてかん水チューブなどでかん水と一緒に施用します。

 ただし、『EMボカシ浸出液』の作製には必ず良質なEMボカシを使用してください。
 『EMボカシ浸出液』の作り方は、EMボカシを目の細かいネット袋(女性用ストッキングなど)に入れ、それを水に3~6時間程度浸し、そのエキスと微生物を抽出します。

 水とEMボカシの容積比は、1:100(例えば、「EMボカシ=1L」に対して「水= 100L」) が目安です。この浸出液は保存ができません。1~2日以内に使い切ってください。
※ 作製時にEMボカシと同量のEM活性液を入れるとさらに良質の「EMボカシ浸出液」が作れます。

  なお、この浸出液はEMボカシより速効性が高い養分供給資材です。浸出し終えたEMボカシの残渣は、圃場に施用するなど有効に活用してください。

 ボカシ1Lを100Lの水で浸出させた浸出液の養分(ボカシの水分を30%とした場合)の目安は、材料や発酵状態により変わりますが、ボカシの窒素含量の2割程度としてください。

3) EM生ごみ発酵堆肥

 生ごみや収穫残渣などを細かく切り、EMボカシであえて発酵させたもの。EMが充分に増殖し、分解もある程度進んでいるため、土になじみやすい。家庭菜園や小規模農家などに向いています。養分は、EMボカシ並みと考えてください。

【1】EMごみ発酵堆肥の作り方

〈作り方〉

  1. (1) 初めてバケツに生ゴミを入れるときは、目皿の上に新聞紙を敷き、EMボカシをまきます。敷いた新聞紙が目詰まりを防ぎ、EM生ごみ発酵堆肥をこす役割もしてくれます。
  2. (2) 生ゴミとEMボカシを入れます。生ゴミは水分を十分に切って、その日のうちにEMボカシと混ぜることがコツです。大きい生ゴミはEMボカシを混ぜやすいように細かくします。魚類や水分の多いスイカなどの場合はEMボカシを多めに入れましょう。
  3. (3) EMボカシと生ゴミを混ぜたら、上からギュッと押して空気を抜きます。古いしゃもじなどを使うと便利です。空気に触れない状態で発酵させますので、内部の空気を抜く必要があるのです。あとはフタをしっかり閉めて密封してください。
  4. (4) EM生ごみ発酵液を取り出します。
     底にたまりますので、そのつど取り出し水で薄めて液肥として使用してください。(1)~(4)の行程をくり返し行い、容器一杯もしくは8分目あたりまで続けてください。
  5. (5) 直射日光を避け、密封して1週間(冬場は2週間)程度発酵させます。不快感のないニオイ(漬物のような)であれば成功です。(長く保管しておくと腐敗するので、要注意)

【2】EM生ごみ発酵堆肥の使い方

 使い方はプランターの項目を参考にしてください。
 ポイントは土とよく混ぜて更に土をその上にのせることです。畑には元肥として、溝施用や置肥に向いています。

【3】EM生ごみ発酵液の使い方

 色は透明だったり、薄茶色だったりします。水で500倍程度に薄めて水やりをかねて追肥としてまきましょう。また(原液~10倍程度)排水口などに流すと悪臭対策になります。

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