◆EM活性液、EMストチュウ(EM5)など

EM活性液、EMストチュウ(EM5)など

EM・1の原液は輸送などに耐えられるように、ボトル内の菌の活性度を抑えた状態で出荷しています。つまり微生物が半分眠っているような状態です。その状態で使用するのではなく、一旦目を覚まさせるとともに菌数や代謝物を増やして活用しようというのが「EM活性液」です。

EM・1の原液にエサとなる身近な有機物を投入し、利用用途に応じて活性化させます。

EMストチュウ、EM青草発酵液肥やEM果実酢、米のとぎ汁EM発酵液などEM活性液はEM・1原液に比べ乳酸菌と酵母などの比率が高くなっています。またアルコールや有機酸、エステルなどが多く含まれ、栽培環境の微生物相の改善を促進します。

完成したEM活性液はEM・1原液とまったく同じものではありませんが、比較的コストをかけずに栽培環境の微生物相を改善することを目的に使います。

EMの微生物を活性化する基本的な資材がEM活性液で、それを応用して作るのがEMストチュウ(EM5)や、EM青草発酵液肥です。

EM活性液 糖蜜(ネオモラセスト・ケインモラセス)をエサ(栄養源)にしてEM・1に含まれる菌体を活性化させた液。
EMストチュウ(EM5) ストチュウ(酢と焼酎)にEM・1と糖蜜を加えて発酵させたもの。
EM・1の中に含まれる酢酸やアルコールなどの代謝物含量を高めたものです。
EM青草発酵液肥 収穫残渣や雑草など青草をEM・1と糖蜜で発酵させたもの。
※ 摘果した果実などをEMと糖蜜で発酵させたものを特にEM果実酢と呼びます。

EM活性液を作るための基本的な資材が「糖蜜」です。
砂糖精製の過程でできる副産物で、糖分やミネラルなどを含んでおり、EMを活性化するための微生物のエサとなります。取り扱う会社によっては「ネオモラセスト」「ケインモラセス」など、名称が異なる場合があります。

基本的なEM活性液はEM・1の原液や糖蜜が多いほど作りやすく発酵が安定しますが、慣れてきたらEMや糖蜜の量などを減らしてもかまいません。

EM活性液は、EM・1と同等のものではありません。
培養する環境によって乳酸菌や酵母の比率が高くなるなど、微生物のバランスが変わります。
完成したEM活性液をEM・1の代わりに使用してEM活性液を作ることもできますが、そのような「二次活性液」では微生物相のバランス比率は不明なため、充分な効果が期待できません。

活性液を作製する専用装置が市販されています。詳しくは、EM研究所(0120-309-831)にお尋ねください。また、作製・使用方法は、各装置のマニュアルに準じてください。

◆EM活性液の使い方

基本的には、EM・1原液と同じ使い方です。

植物が植えられている場合は1000倍に薄めます。
土壌に散布する場合は100倍程度の濃さでもかまいません。

土作り中
(作物がないとき)
EM・1を100倍に薄めて散水
栽培中の水やり
(作物があるとき)
EM・1を1000倍に薄めて散水

<参考>EM資材の希釈倍率早見表

◆EM活性液を作る材料

完成量
10L
完成量
2L
完成量
1L
完成量
500ml
EM・1™ 500ml 100ml 50ml 25ml
糖蜜 500ml 100ml 50ml 25ml

(塩素の
無い水)
9L 1.8L 900ml 450ml

※水道水の場合は、浄水器を通すか、または一昼夜汲み置きして塩素を取り除いたほうが良い

◆EM活性液計算フォーム

EM活性液を作るときに必要な資材の量を自動的に計算して表示します。
作りたい量をml(ミリリットル)で入力して「計算する」をクリック(タップ)して下さい。
1L=1000mlです。2L作りたい場合は 2000 と入力してください。

    <例>
  • 1L → 1000
  • 2.5L → 2500
  • 5L → 5000

ml

EM・1 0 ml
糖蜜 0 ml

※またはぬるま湯
0 ml

◆EM活性液の作り方手順

1.糖蜜を溶かします

分量内の水でぬるま湯(40〜50℃)を用意し、糖蜜をよく溶かします。
※古い糖蜜や品質の悪い糖蜜を使う場合、この時点で煮沸して雑菌を死滅させた方がよく発酵します。

2.資材をすべて混ぜます

<手順1>で溶かした糖蜜に残りの水を入れます。
水温が40℃以上でないことを確認してから、EM・1を入れ、よく混ぜます。
EM・1と糖蜜の混合希釈液ができます。

3.保管方法

保管 <手順2>で混ぜたものをを密閉容器(ポリ容器やペットボトルなど)に入れ、1日の温度変化が少なく暖かいところ(最適気温25〜30℃)に置きます。
※ ガラス容器は破裂することがあり、危険ですので使用しないでください。

ポイント:仕込んで2〜3日の間は、EM活性液の35〜39°に温度を保つとスムーズに発酵します。
温める方法として、電気毛布や使い捨てカイロなどを利用すると便利です。
使い捨てカイロは密閉容器に2〜3ヶ張りつけて、毛布などでくるみます。

保管

4. 完成までの発酵期間の目安

日が経つごとに発酵が進むとガスが発生し、容器が膨らみます。
都度フタをゆるめてガス抜きをし、しっかりフタを締めます。
毎日「容器が膨ら→ガスを抜く」を繰り返します。
でき上がりの日数は、夏場で7日前後、冬場で10〜14日前後が目安ですが、地域や発酵場所により異なりますのでよく観察してください。

<参考>水温と完成までの日数の関係
EM活性液をつくるときの温度管理水温によって発酵に必要な日数が異なります。
EMの微生物がバランス良く活性し、質の良いEM活性液ができる温度は38〜40℃です。

5.E活性液の完成目安

完成 でき上がりの判断は、甘酸っぱい発酵臭がすること、または、pHが3.8以下になっていることです。
使用期限は約1ヶ月です。それを過ぎると微生物の数が減り、効能が発揮されにくくなります。
完成したEM活性液は、一か月目途に使い切ってください。

pHを測定する道具は理化学機器商社等で取り扱っていますが、インターネットなどでも購入することができます。

6.出来上がったEM活性液の保存場所

保存場所 1日の温度変化の少ない暗所が最適です。

EMストチュウ(EM5)の作り方 <応用編>

1)材料

EM・1™ 1L
糖蜜 1L
お酢注2) 1L
焼酎注2) 1L
水(塩素の無い水)注1) 10L

注1): 水道水の場合は、浄水器を通すか、または一昼夜汲み置きし、塩素を取り除いたほうが良い
注2): お酢と焼酎の代わりに「AL-V※」(醸造アルコール+醸造酢)を使用してもよい。
この場合は、水:糖蜜:AL-V:EM・1=10:1:1:1

※岐阜アグリフーズ株式会社 岐阜県岐阜市 TEL 058-278-2511

2) 作り方

活性液に準ずる

EM青草発酵液とEM果実酢の作り方

EM青草発酵液とEM果実酢の作り方

EM青草発酵液とEM果実酢の作り方はほぼ同じです。

EM果実酢は収穫残渣や青草を果実に置き換えたものですが、EM・糖蜜混合液は少し濃く20倍とし、発酵期間を長くするのがポイントです。

1) EM青草発酵液の材料

EM・1™、糖蜜混合希釈液 適量
新鮮な青草(収穫残渣や雑草) 容器一杯分
容器 生ごみ処理用バケツ、密閉でき底抜き栓と落としブタが付いているものがよい

2) 作り方

  1. EM・糖蜜混合希釈液

    EM・糖蜜混合希釈液

    水に糖蜜とEM・1を混ぜ、EM・糖蜜100倍混合希釈液を作製します。冬場は糖蜜が溶けにくいので、予め少量のお湯で溶かしておくと良いでしょう。

  2. EM・糖蜜混合希釈液

    青草

    病気や腐れのない新鮮な収穫残渣や雑草などの青草を短く切って、容器(生ごみ処理用バケツ、密閉できる容器など)にいれます。

  3. EM・糖蜜混合希釈液

    浸す

    EM・糖蜜混合希釈液を容器に加え、青草が浸る程度まで入れます。

  4. EM・糖蜜混合希釈液

    発酵期間

    落としブタなどをして、液面に草など有機物が出ないように混合液で満たします。そのまま密閉し、嫌気状態に保ち発酵させます。発酵期間は室温の場合夏場で5〜7日、冬場で10〜15日程度、液体にトロみがでてきた頃でpH3.8以下が目安です。

  5. EM・糖蜜混合希釈液

    完成

    出来上がった液をろ過して、使い方にそって使用します。余った液は密閉できる容器に移し換え、密閉して保管します。この液は1ヶ月以内に使い切ってください。こし取った青草は、畑のマルチや堆肥の材料として使用できます。