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栽培
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05.付録

5-2.土づくり

1) 土づくりのための3つの要素

 一般に「土づくり」には、物理性・化学性・生物性の改善という3つの要素があります。これらはどの1つが欠けても健康な土壌にはなりません。要素はそれぞれが独立して存在しているのではなく、互いに影響を与え合い、密接不離な関係にあります。

 しかしながら、慣行農業(化学農法)は、どちらかといえば化学性や物理性に偏り、生物性を重要視してこなかったのではないでしょうか。

 例えば、病原菌を殺すための土壌消毒により、土壌の微生物や小動物も死滅させ、さらに、化学肥料に頼り有機物を軽視した結果、生物性のバランスが崩れた土壌になり、塩類集積や連作障害など様々な弊害が現れてきています。
 従って、土づくりのためには、この生物相の改善を積極的に行う必要があります。その生物性の根底を支えているのが微生物たちです。EMは、この微生物相の改善を図ることを主な目的としています。

 また、この生物性(微生物性)の改善は物理性・化学性の改善にも大きく貢献します。しかしEMを活用する場合でも化学性、物理性といった土壌診断を適宜行い、適切な改善を実施する必要があります。


(1) 化学性
窒素、リン酸、カリ、その他の微量要素、pH、ECなど

(2) 物理性
透水性、保水性、通気性、団粒構造など

(3) 生物性
各種の微生物、線虫、ダニ類、トビ虫、大小のミミズ、甲虫類、多足類、昆虫やその他の幼虫、モグラなどの小動物の数・種類・バランス

2) 土壌改良の必要性

 山を切り崩して土地を平らにし腐植のほとんどない土地を田畑にしたところなど、日本の土壌はすべてが「良い」土というわけではでありません。土の3要素を念頭に、EMを十分に活用していくためにも、一般的な土壌改良は不可欠なものです。

(1)粘土質か砂質か

 粘質土壌は養分を保持する力や保水力(水持ち)が高く、過剰な養分や有害物質の影響をやわらげるなどの長所がある反面、水はけや通気性が悪いという短所があります。反対に砂質土壌では養分保持力が低く、水持ちが悪い反面、水はけ・通気性が良いという特徴があります。

 こうした土の持つ短所を補うには、例えば、粘土質の強い土壌には繊維質の多い緑肥や堆肥また砂などを客土し、砂が多く乾燥しやすい土壌には良質な粘土を客土するなどします。水はけが極端に悪い場合は、暗渠・明渠などの排水設備設置をしましょう。

  また、ワラ類など炭素率の高い粗大有機物を毎年少しずつ投入し、土壌中の腐植含量を維持・増進するように必ず努めてください。ただし、炭素率の高い有機物を多量に入れると一時的に窒素飢餓が起こる恐れがありますので注意が必要です。

 また、多孔質のゼオライトなどは養分を保持し、少しずつ放出する性質がありますので、土壌改良に役立ちます。緑肥のような窒素成分の多い有機物を鋤込む場合などにも活用できます。
施用量は1回あたり100〜200 kg/10a程度とします。

(2)水はけが良いか悪いか

 水はけが良く水持ちの良い土(スポンジのように一定の水は蓄えるがそれ以上の水は下に流し出す)が作物にとっても微生物にとっても良い栽培環境となります。
水はけの悪い土などでは暗渠や明渠などの排水工事をしたり、高畝などを作る工夫が必要です。

(3)腐植が多いか少ないか

 腐植の多い土が良い土の基本です。有用な微生物が働くための必須条件です。腐植の少ない土は黒みがなくパサパサとしています。土が固まりやすく、養分を保持する力もあまりありません。

 腐植が少ない土には堆肥や緑肥または養分のあまり高くないボカシなどを積極的に投入します。

(4)酸性かアルカリ性か

 ほとんどの作物が生育しやすいpHは6.5前後です。またEMもこの程度のpHが働きやすい環境です。酸性が強い場合はアルカリ資材(なるべく天然のカキ殻や貝化石)を投入してください。

 土質により異なりますが、カキ殻の場合は、150 〜200kg/10aを投入してpH値を計って、目標値に到達していなければ、次の作付けで追加投入してください。

(5)その他土壌養分の過不足はどうか

 窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの養分は多過ぎても少な過ぎてもいけません。ボカシや堆肥、またその他ようりん(溶性リン肥)などの土壌改良資材で徐々に改良していくことが大切です。

 化学性の改善 一般的な土壌成分の目標値(表1)を目安にして、土壌改良を行ってください。

表1.土壌成分の目標値(mg/乾土100g)

(6)水田の土壌改良

  水田の土壌改良には、とくに病害虫を寄せつけない硬い丈夫な稲に育てることがポイントです。

 そのためには、土壌のケイ酸含量を高める必要があります。資材には、貝化石が有効ケイ酸を多く含んでいますので、活用に適しています。投入量は150〜300kg /10aで、2〜3年継続します。

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