◆EMボカシとは
◆EMボカシの種類
◆EMボカシの上手な作り方のポイント
◆EMボカシの材料
◆EMボカシの作り方
◆EMボカシ完成品のご紹介
◆EMボカシの使い方
1) 土壌に施用する場合
2) EMボカシ浸出液として使用する場合
3) EM生ごみ発酵堆肥を作る場合
◆EM生ごみ発酵堆肥の作り方
EMボカシとは
EMで有機物(米ヌカ・油カス・魚カスなど)を発酵させた資材で、いわゆる一般でいう「ボカシ肥」と同じようなものですが、嫌気状態で作製するのが特徴です。
以下のようなメリットがあります。
- EMボカシの製造発酵過程でEMを増殖させ、その密度を高めます。
- 土に入れてからもEMを増殖させるためのエサ(基質)としての役割も果たします。
- この資材の活用はEMの増殖と定着を促進させるのが主な目的ですが、作物への養分供給にもなります。
- さらに、EMボカシを水に浸し抽出させた、『浸出液』を利用したり、生ごみや収穫残渣などをボカシと一緒に発酵させる方法もあります。
また、ボカシを必要以上に多量に使うと、土壌の富栄養化が起こり、病虫害をうけやすくなる場合もあります。
土壌の栄養状態が良すぎる場合は、EM活性液をふんだんに利用することをおすすめします。
EMボカシの種類
EMボカシは材料の種類によって2つに大別されます。
- EMボカシⅠ型(低栄養土壌改良型)
米ヌカとモミ殻を材料に作ります。主に水稲の秋処理や有機物・生ごみ発酵処理などに使います。
- EMボカシⅡ型(高栄養養分供給型)
米ヌカに油カスや魚カスなど窒素含量の多い材料を混ぜて作ります。
水田の雑草対策用の田植後には未熟なEMボカシを使用しますが、基本的には一ヶ月以上の発酵期間をとるタイプが主流です。
EMボカシの上手な作り方のポイント
EMボカシの上手な作り方のポイントは以下の3点です。
- 水分を適度に保つ(30~40%)
- 密閉(嫌気)状態を保つ
- 適度な温度を保つ
EMボカシの材料
(1)ボカシⅠ型の場合
※米ヌカの水分量が15%で、ボカシの水分量を35~40%にする場合
※モミ殻がない場合は、米ヌカのみで作ります
材料 | 使用量 | |
---|---|---|
米ヌカ | 100kg | 材料の乾燥状態や混合比率の割合により水分量が異なるが、 約100kgの主材料に約25~30L前後のEM・糖蜜混合希釈液(5%)が必要 |
モミ殻 | 5~10kg |
※スマホでご覧の方は左右にスクロールできます
(2)ボカシⅡ型の場合
● 米ヌカの水分量が15%で、ボカシの水分量を35~40%にする場合
材料 | 使用量 | |
---|---|---|
米ヌカ | 60kg | 材料の乾燥状態や混合比率の割合により水分量が異なるが、 約100kgの主材料に約25~30L前後のEM・糖蜜混合希釈液(5%)が必要 |
油カス | 20kg | |
魚カス | 20kg |
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その他、材料に使用できるものには稲ワラ、モミ殻、オカラ、ビ-ルカス、粉炭、ゼオライト、カニ殻など色々ありますが、安価で入手しやすく雑菌の繁殖していない新鮮な有機物であれば、材料は何でもかまいません。
ただし、有機物には分解しやすいものと分解しにくいものがありますので組合せを工夫してください。
また有機物は微生物のエサになるのと同時に速効性の養分供給資材にもなりますので、作物や圃場ごとに適した材料や混合比率で使用してください。
※ 米ヌカだけを材料とすると固まりやすいので別の材料を混ぜると作りやすいです。
<参考>有機物資材の成分表(%)
※ 材料の成分は目安としてください。新鮮度合いや各メーカーにより多少の差があります。正確な数値は、メーカーや販売店にお問い合わせください。
EM・糖蜜混合希釈液(5%)の材料
※Ⅱ型ボカシは、混合する資材(油カス、魚カス)の水分量が少ないため、水分を多めにすると良い
※水道水は、浄水器を通したものを使用するか、または一昼夜汲み置きし、塩素を取り除いたほうが良い
材料 | 使用量 | |
---|---|---|
EM・1™ | 1.25~1.5L | 25~30Lの水にEMと糖蜜を1.25~1.5Lずつ入れ、 それぞれを5%の濃度になるように薄めます。 |
糖蜜 | 1.25~1.5L | |
水 | 25~30L |
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EMボカシの作り方
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糖蜜を溶かす
1.25~1.5Lの糖蜜を2L程度のお湯で溶かします。糖蜜は水に溶けにくいため、お湯を使うことをおすすめします。
お湯の量は水の量に含まれます。※ 古い糖蜜や品質の悪い糖蜜を使う場合、2Lの水で薄めたものを煮沸して雑菌を死滅させるとよく発酵します。
-
EM・糖蜜混合希釈液をつくる
手順1で溶かした糖蜜に23~28Lの水と1.25~1.5LのEM・1を加えます。
※ この希釈液は、主材料(米ヌカや油カスなど)と混ぜ合わせる3日前に作るとEMの活性が高まり、発酵がスムーズに進みます。余裕がなければ当日でも大丈夫です。
-
材料をすべて混合する
米ヌカ、油カス、魚カスなどの主材料をよく混ぜ合わせます。その後、手順②の5%希釈液をジョウロなどで加えながら、水分が均等になるようによく混ぜ合わせます。
その時、全体の水分が35~40%になるように、水分量を加減します。水分が少ない場合はさらに水を加えて調整します。
<注意>
(1)水分の目安は混ぜ合わせた材料を強く握ると、団子になる程度で、触ると壊れるくらいの状態です。
(2)水分が過剰になると腐敗しやすく、少なすぎると発酵が進みませんので、水分量には充分注意してください。
(3)水分を加えすぎるとその後調整しにくくなります。EMと糖蜜の希釈液は最初10Lくらいを加え、水分の状態を確認しながら、残りを少しずつ加えると失敗しにくいです。 -
密閉する
混合したものを厚手のビニール袋に入れ、口をしっかりと閉め、密閉して嫌気状態にし、直射日光の当たらない場所で発酵をさせます。
また、これと同じ条件を設定できるものであれば、ビニール袋にこだわらずに、大型のポリドラムなどでも構いません。<注意>
(1)薄いビニール袋の場合、破れやすく空気が入る恐れがありますので、厚手のものを使用してください。
薄手のビニールを使用する場合は2~3重にして使用してください。
(2)右の図のようなポリドラムで発酵させる場合、材料を容器一杯入れてください。すき間があるとうまく発酵できないことがあります。 -
EMボカシの発酵期間について
発酵期間は長ければ長いほど(45日以上)、嫌気状態で発酵させると良いものができます。また、平均気温の積算温度600℃以上も一つの目安になります。ただし10℃以下の気温の場合は積算しないでください。それから、ボカシの温度が50℃以上にならないように注意してください。袋に穴があいて空気が入ると50℃以上になる場合があるので注意してください。
積算温度の例(平均気温が20℃の場合)
20℃×30日=600℃ -
EMボカシを発酵させる場所
発酵はできるだけ暖かい所で行ってください。
EMボカシの発酵適温は25~35℃です。特に初期(1週間程度)は高めの温度管理をして頂くと良い発酵になります。
冬期などの気温が低い時期は、古い保冷庫のような倉庫で加温するなどの工夫をしてください。 -
EMボカシの完成の目安
EMボカシ完成の判定基準は、pHが5以下であることに加え、甘酸っぱい発酵臭がして、また良い芳香臭がすることです。
いやな腐敗臭がすれば失敗です。表面に白いカビが発生することがありますが、これは問題ではありませんが、青カビや黒カビが発生すると失敗です。
-
EMボカシを保管する場所
EMボカシの保存は、仕込み状態のまま嫌気状態を保ち続けて保存します。
密閉状態が保たれていれば、長期保存が可能です。 -
EMボカシを大量生産する場合は
大量に作る場合は、右のイラストのように大きな容器や木枠などで作ることもできます。
その場合、ビニールを3重ぐらい重ねて、上部に石などの重しを置きます。
空気が入ると高温になりますので密閉状態を作る工夫をしましょう。
EMボカシ完成品のご紹介
コストを考えるとEMボカシは農家自らが作ることをおすすめしますが、市販のものを購入することもできます。
下記販売店の完成品を試験的に導入して効果を確認するにも良いでしょう。
<参考>
商品名「EMスーパーアグリ」 日本食品工業(株) TEL:0859-44-0218 FAX:0859-42-6456
商品名「スーパーネイチャー」 大和肥料(株) TEL:06-6499-6842 FAX:06-6499-6829
商品名「EM米ぬかペレット」 池田産業 TEL:0299-96-3041 FAX:0299-97-0295
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EMボカシの使い方
1) 土壌に施用する場合
作物や地力によって量は変わりますが、100~300kg/10a程度を目安に施用します。
※ EMボカシだけでは土づくりはできません。
土づくりは、土を柔らかく保ち、「養分を保持する能力のある腐植」を蓄積することが必須条件となります。この腐植は緑肥や堆肥、作物残渣(稲ワラなど)などの粗大有機物を投入することによって蓄積することができます。EMボカシだけを投入しても腐植は蓄積されません。
また、粗大有機物やEMボカシは、できる限り表層施用することが理想的です。
2) EMボカシ浸出液として使用する場合
畦にビニールマルチなどをかけた場合などは、EMボカシを追肥的に施用できないので、『EMボカシ浸出液』を作製し、EM希釈液と同じように液状にしてかん水チューブなどでかん水と一緒に施用します。
ただし、『EMボカシ浸出液』の作製には必ず良質なEMボカシを使用してください。
『EMボカシ浸出液』は、EMボカシを目の細かいネット袋(女性用ストッキングなど)に入れ、それを水に3~6時間程度浸し、そのエキスと微生物を抽出したものです。
水とEMボカシの容積比は、1:100(例えば、「EMボカシ=1L」に対して「水= 100L」) が目安です。この浸出液は保存ができません。1~2日以内に使い切ってください。
※ 作製時にEMボカシと同量のEM活性液を入れるとさらに良質の「EMボカシ浸出液」が作れます。
なお、この浸出液はEMボカシより速効性が高い養分供給資材です。浸出し終えたEMボカシの残渣は、圃場に施用するなど有効に活用してください。
ボカシ1Lを100Lの水で浸出させた浸出液の養分(ボカシの水分を30%とした場合)の目安は、材料や発酵状態により変わりますが、ボカシの窒素含量の2割程度としてください。
3) EM生ごみ発酵堆肥を作る場合
生ごみや収穫残渣などを細かく切り、EMボカシであえて発酵させたものです。EMが充分に増殖し、分解もある程度進んでいるため土になじみやすく、家庭菜園や小規模農家などに向いています。養分は、EMボカシ並みと考えてください。
EM生ごみ発酵堆肥の作り方
〈作り方〉
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初めてバケツに生ゴミを入れるときは、目皿の上に新聞紙を敷き、EMボカシをまきます。敷いた新聞紙が目詰まりを防ぎ、EM生ごみ発酵堆肥をこす役割もしてくれます。
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生ゴミとEMボカシを入れます。生ゴミは水分を十分に切って、その日のうちにEMボカシと混ぜることがコツです。大きい生ゴミはEMボカシを混ぜやすいように細かくします。魚類や水分の多いスイカなどの場合はEMボカシを多めに入れると微生物が効果を発揮しやすく分解がすすみやすくなります。
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EMボカシと生ゴミを混ぜたら、古いしゃもじなどを利用して上からギュッと押して空気を抜きます。空気に触れないように発酵させ、フタをしっかり閉めて密封してください。
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EM生ごみ発酵液を取り出します。
底にたまりますので、定期的に取り出し水で薄めて液肥として使用してください。(1)~(4)の行程をくり返し行い、容器一杯もしくは8分目あたりまで続けてください。 -
直射日光を避け、密封して1週間(冬場は2週間)程度発酵させます。不快感のないニオイ(漬物のような)であれば成功です。(長く保管しておくと腐敗するので注意が必要です。)
●EM生ごみ発酵堆肥の使い方
使い方はプランターの項目を参考にしてください。
ポイントは土とよく混ぜて更に土をその上にのせることです。畑には元肥として、溝施用や置肥に向いています。
●EM生ごみ発酵液の使い方
色は透明だったり、薄茶色だったりします。水で500倍程度に薄めて水やりをかねて追肥としてまきましょう。また(原液~10倍程度)排水口などに流すと悪臭対策になります。