<目次>
1.自然界には多種多様の微生物がいます
2.有用微生物群(EM)とは
3.EM・1™の有効利用により期待できる効果
4.基本的なEMの使い方
5.基本はEM・1™
6.その他関連資材
◆ 資料ダウンロード【EM・1 使用説明書栽培用】
1.自然界には多種多様の微生物がいます
森林などの落ち葉が積もった土壌等には微生物が豊富に存在し、土1g当たり1~10億もの微生物が棲んでいます。これらの微生物は、有機物を分解したり、合成したりして土壌を肥沃にする働きをもっています。
一方、人の身体にも種々雑多な微生物が約100兆個、腸内には100種類以上の細菌(総量約3kg)皮膚1cm四方には20~30万個の微生物が棲みついていると言われています。このように人間と微生物とはとても深い関係にあります。
大気1m3には数百~数千個の細菌細胞やカビ胞子が飛んでおり、室内の空気ではその密度は更に高くなっています。もちろん前述のように大気だけでなく、土壌にも河川にも海洋にも微生物が生息し様々な働きをしています。大昔から微生物は地球の大気、水、土と深く関わっており、微生物のお蔭で私たちの住む現在の地球環境が築き上げられてきたと言えます。
従って、これら微生物を皆殺しにして無菌状態で生活することは無理なことです。敵対するのではなく、上手につきあって微生物を味方につけるよう工夫することは、自然と共存し、より快適な生活を送る上で有益なことなのです。人間にとって有用な菌を善玉菌。悪い菌を悪玉菌と呼ぶとすると下図のようになります。味方にするなら善玉菌でしょう。
2.有用微生物群(EM)とは
EMとはEffective Microorganismsの略語です。有用な微生物群という意味です。自然界にいる微生物の中で、有機物を発酵したり、太陽エネルギーを固定したりする微生物の総称です。これらの微生物は互いに助け合い共存共栄していくことができます。
弊社は、有用微生物のこうした特徴を利用して、遺伝子操作で人工的に作られた微生物ではなく、人間や農業、環境にとって有用な乳酸菌、酵母、光合成細菌などを複合培養した土壌改良微生物資材のEM・1を製造しています。EM・1の製造過程には化学合成物質は使っておりませんので、有機農産物の日本農林規格(有機JAS)の使用可能な土壌改良資材に適合しています。
※ 本文中では、便宜的にEM・1の中に含まれる微生物をEMとさせて頂きます。
3.EM・1™の有効利用により期待できる効果
EM・1に含まれる微生物は有機物を発酵分解させる働きがあります。また、EM・1に含まれる微生物やその微生物が作り出した代謝物などが、土壌の生物相の改善を行い、植物の生育生長に直接、あるいは間接的にプラスの影響を与えます。
1)植物残渣などの有機物の処理
- ボカシの製造
- 畜糞堆肥の製造
- 有機物施用時のEM散布による消臭
2)汚水の浄化
- 生活雑排水などで汚染された農業用水の浄化
- 農地から河川や地下に流出する水の浄化
3)土壌微生物の活性化
- EMやその代謝物がきっかけ(スターター)となって土着菌を活性化させて、土壌を豊かにし、環境を整える。
4)作物の活性化
- EMやその代謝物がきっかけ(スターター)となって、葉面や根圏の微生物相を刺激し、作物の活力を高める。
以上1~4の効果によって、農作物の健全化が促されます。
※ただし、EMは薬剤ではありません。生き物であり、それぞれの環境で活動しやすいように心掛け、土壌全体を発酵させることをイメージして使用してください。
4.基本的なEMの使い方
EMは基本的に水で希釈し、下記の方法で施用します。
希釈倍率は資材や使用用途によって異なります。
-
❶ 土壌散布する方法
(ジョウロ・動力噴霧器での散布)
-
❷ 葉面散布する方法
(噴霧器にて霧状散布)
-
❸ 水田の水口より少量ずつ流し込む方法
(点滴法)
-
❹ かん水パイプまたは、チューブから流し込む
(ビニールマルチをしている場合)
5.基本はEM・1™
EM・1は、EM活用のベースとなる資材です。以下のようにいろいろな使い方ができます。
EM・1 | 基本形 | 応用形 | その他の活用方法 |
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水で薄めてそのまま使用する 「EM希釈液」 (希釈倍率早見表) |
— | — | |
糖蜜を使用して作る 「EM活性液」 |
EMストチュウ EM青草発酵液 EM果実酢 米のとぎ汁EM発酵液 |
— | |
米ぬかなどの資材を糖蜜と微生物で発酵させる 「EMボカシ」 |
生ごみを発酵させる「EMボカシⅠ型」 | EM生ごみ発酵堆肥 EM生ごみ発酵液肥 EM生ごみ土 |
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畑で堆肥として使用する「EMボカシⅡ型」 | ボカシを浸水して効果を液体に抽出する「EMボカシ浸出液」 |
6.その他関連資材
下記製品は、使用用途に応じて用いる補助剤です。
どの資材もEM・1との併用がおすすめです。
名称 | 説明 |
---|---|
EM・2™ | 各種有用微生物が生成する生理活性物質や酵素の働きを強化したものです。 使用に当たってはEM・1と併用します。また、活性液作製時にEM・1の半分程度の量を入れる方法もあります。 |
EM・3™ | 光合成細菌の働きを強化したものです。水稲や果樹などに有効です。使用に当たってはEM・1と併用します。また、活性液作製時にEM・1の半分程度の量を入れる方法もあります。 |
EMW | EM・1を家庭内利用に作ったものです。色が薄く色つきの心配が少ないため、花卉栽培でも使いやすい製品です。 |
糖蜜 | 砂糖精製においてできる副産物。EMのエサになり、EM活性液を作るときなどに使います。 |
EMセラミックス (菜園EMパウダー) |
EMを粘土に混入し焼成したセラミックスで、種類は、固形とパウダーがあり、固形は主に水質改善に、パウダーは土壌改良に利用します。 |