EM・1には生きた微生物が入っており、エサとなる糖蜜(ネオモラセスト)や善玉菌のエサなどを使用して培養することができ、培養した液体のことを「EM活性液」といます。
広い畑や田んぼでの施用、河川浄化などで大量にEMを使用したい場合は、EM活性液の使用をおすすめします。
完成したEM活性液はEM・1原液とまったく同じものではありませんが、原液を使用するよりもコストをかけずに栽培環境の微生物相を改善することを目的に使います。
EMの微生物を活性化する基本的な資材がEM活性液で、それを応用して作るのがEMストチュウ(EM5)や、EM青草発酵液肥です。
EMを培養して作る「EM活性液」「EMストチュウ」「EM青草発酵液肥」「EM果実酢」「米のとぎ汁EM発酵液」などはEM・1原液に比べ乳酸菌と酵母などの比率が高くなっています。またアルコールや有機酸、エステルなどが多く含まれ、栽培環境の微生物相の改善を促進します。
EM活性液 | 糖蜜(ネオモラセスト・ケインモラセス)をエサ(栄養源)にしてEM・1に含まれる菌体を活性化させた液。 |
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EMストチュウ(EM5) | ストチュウ(酢と焼酎)にEM・1と糖蜜を加えて発酵させたもの。 EM・1の中に含まれる酢酸やアルコールなどの代謝物含量を高めたものです。 |
EM青草発酵液肥 | 収穫残渣や雑草など青草をEM・1と糖蜜で発酵させたもの。 ※ 摘果した果実などをEMと糖蜜で発酵させたものを特にEM果実酢と呼びます。 |
EM活性液を作るための基本的な資材が「糖蜜」です。
砂糖精製の過程でできる副産物で、糖分やミネラルなどを含んでおり、EMを活性化するための微生物のエサとなります。取り扱う会社によっては「ネオモラセスト」「ケインモラセス」など、名称が異なる場合があります。
EM活性液はEM・1の原液や糖蜜が多いほど作りやすく発酵が安定しますが、慣れてきたらEMや糖蜜の量などを減らしてもかまいません。
※ EM活性液はEM・1と同じ効果がありますが、同等のものではありません。
培養する環境によって乳酸菌や酵母の比率が高くなるなど、微生物のバランスが変わります。
完成したEM活性液をEM・1の代わりに使用してEM活性液を作ることもできますが、そのような「二次活性液」では微生物相のバランス比率は不明なため、充分な効果が期待できません。
活性液を作製する専用装置が市販されています。詳しくは、EM研究所(0120-309-831)にお尋ねください。また、作製・使用方法は、各装置のマニュアルに準じてください。
◆EM活性液の使い方
基本的には、EM・1原液と同じ使い方です。
植物が植えられている場合は1000倍に薄めます。
土壌に散布する場合は100倍程度の濃さでもかまいません。
土作り中 (作物がないとき) |
100倍に薄めて散水 |
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栽培中の水やり (作物があるとき) |
1000倍に薄めて散水 |
◆EM活性液を作る材料
完成量 10L |
完成量 2L |
完成量 1L |
完成量 500ml |
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EM・1™ | 500ml | 100ml | 50ml | 25ml |
糖蜜 | 500ml | 100ml | 50ml | 25ml |
水 (塩素の 無い水) |
9L | 1.8L | 900ml | 450ml |
※水道水の場合は、浄水器を通すか、または一昼夜汲み置きして塩素を取り除いたほうが良い
◆EM活性液計算フォーム
EM活性液を作るときに必要な資材の量を自動的に計算して表示します。
作りたい量をml(ミリリットル)※で入力して「計算する」をクリック(タップ)して下さい。
※1L=1000mlです。2L作りたい場合は 2000 と入力してください。
- 1L → 1000
- 2.5L → 2500
- 5L → 5000
ml
EM・1 | 0 ml |
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糖蜜 | 0 ml |
水 ※またはぬるま湯 |
0 ml |
◆EM活性液の作り方手順
- 1.糖蜜を溶かします
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分量内の水でぬるま湯(40〜50℃)を用意し、糖蜜をよく溶かします。
※古い糖蜜や品質の悪い糖蜜を使う場合、この時点で煮沸して雑菌を死滅させた方がよく発酵します。 - 2.資材をすべて混ぜます
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<手順1>で溶かした糖蜜に残りの水を入れます。
水温が40℃以上でないことを確認してから、EM・1を入れ、よく混ぜます。
EM・1と糖蜜の混合希釈液ができます。 - 3.保管方法
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<手順2>で混ぜたものをを密閉容器(ポリ容器やペットボトルなど)に入れ、1日の温度変化が少なく暖かいところ(最適気温25〜30℃)に置きます。
※ ガラス容器は破裂することがあり、危険ですので使用しないでください。ポイント:仕込んで2〜3日の間は、EM活性液の35〜39°に温度を保つとスムーズに発酵します。
温める方法として、電気毛布や使い捨てカイロなどを利用すると便利です。
使い捨てカイロは密閉容器に2〜3ヶ張りつけて、毛布などでくるみます。 - 4. 完成までの発酵期間の目安
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日が経つごとに発酵が進むとガスが発生し、容器が膨らみます。
都度フタをゆるめてガス抜きをし、しっかりフタを締めます。
毎日「容器が膨ら→ガスを抜く」を繰り返します。
でき上がりの日数は、夏場で7日前後、冬場で10〜14日前後が目安ですが、地域や発酵場所により異なりますのでよく観察してください。
<参考>水温と完成までの日数の関係
水温によって発酵に必要な日数が異なります。
EMの微生物がバランス良く活性し、質の良いEM活性液ができる温度は38〜40℃です。 - 5.E活性液の完成目安
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でき上がりの判断は、甘酸っぱい発酵臭がすること、または、pHが3.8以下になっていることです。
使用期限は約1ヶ月です。それを過ぎると微生物の数が減り、効能が発揮されにくくなります。
完成したEM活性液は、一か月目途に使い切ってください。pHを測定する道具は理化学機器商社等で取り扱っていますが、インターネットなどでも購入することができます。
- 試色pH試験紙(pH3.2〜5.6の範囲用)
- デジタルpHメーター
- 6.出来上がったEM活性液の保存場所
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1日の温度変化の少ない暗所が最適です。