果樹への活用事例

果樹への活用事例

長年の顧客と口コミによる販路増

  • 果樹

山梨県笛吹市
鮫谷陸雄さん

1.地域の概況

鮫谷さん

甲府盆地の笛吹川流域に位置し、河川氾濫による沖積砂土壌。古くは水田、桑畑が中心であったが、現在では、良好な排水土壌、年間を通じて少雨という条件を利用し、桃、ブドウの栽培が主となっている。自園は甲府市に通ずる国道沿いにあり、観光園として直売している。
長年の顧客と口コミによる販路増に対し、桃、ブドウの“旬の味”を新鮮さと共に直販し、来園者に、さわやかさとうるおいを提供している。

年間平均気温:14.7℃
年間平均降水量:985.0mm
年間日照時間:2076.6 h

栽培品目 桃(浅間白桃、他15品種) ブドウ(巨峰、ピオーネ、シャインマスカット他)
経営面積 110a(うち桃:70a)
労働力 3人
EM導入年 1994年(平成6年)

 

2.EM導入の動機等

 1978年に東京での教諭の職業から一大転身をして、果樹栽培を始めた。慣行の栽培に疑問を持ちながら、少しでも安全でおいしい果実が栽培できるように有機低農薬栽培を目指していた折り、比嘉教授の著書「地球を救う大変革」に出会い、EMを導入することとなった。

 

3.EM活用による効果

  1. 糖度の向上

    桃 糖度比較表
  2. 抗酸化力の向上(白桃)

    サンプル名 Brix糖度
    (%)
    抗酸化力
    (TEmg/100g)
    ビタミンC
    (mg/100g)
    硝酸
    イオン
    (mg/L)

    (1~5)
    サンプル 17.8 155.8 13.2 <5 5
    全国平均値
    (2003~2016年)
    12.9 61.7 11.9 <5 4
    食品成分表 - - 8.0 0 -
    官能評価 甘味:2  旨味:2  酸味:0 食感:0  香り:1
    ※官能評価はサンプル(鮫谷さんの桃)を評価したもので、
    0を基準として-2~+2で評価

  3. 土壌微生物の定着
  4. 病虫害の低減(低農薬栽培)

 

4.EM活用の方法

甲斐路

  1. 栽培管理

    ●栽植密度10~12本/10a
    ●整枝剪定4本主枝樹形、弱剪定

  2. 土壌管理

    ●耕起方法: 無耕起
    ●EMボカシのつくり方:密閉ポリ容器にて1年間以上熟成させる。

    <材料>
    米ヌカ:60kg
    油カス:20kg
    魚カス(骨粉):20kg
    カニガラ:5kg
    海藻粉末:5kg
    くん炭:5kg
    EMセラミックス:1kg

  3. かん水方法:スプリンクラー(使用水:自家用深井戸、河川)

 

◆ 桃栽培管理(EM散布、防虫害防除、肥培管理)

施用時期 種類 施用量 施用方法

発芽前
12月~2月上旬

越冬病虫害防除

機械油乳剤or石灰硫黄合剤(カイガラムシ等)
チオノックスF.(縮葉病)

葉面散布

落花期前
3月上旬~4月上旬

EM活性液

EM百倍活性液×50倍希釈
百倍利器200L培養

EM12LEM21LEM31L、ニガリ:2L、糖蜜:4L、発酵C20gEMX-Gold200ml、食塩6kg
・木酢液×500倍希釈
EM7×5000倍希釈
・発酵C×5000
・ピーチビネガー、アップルビネガー等

葉面散布(58回)

EM活性液

二千倍活性液35t10a
(1tタンク2基:百倍活性液50L、糖蜜22kg、食塩10kg)

土壌散布(潅水時)

落花期
4月中旬

病虫害防除

果実腐敗病防除剤(廃星病)
ハモグリガ(モスピラン)
防除時常時:EM7×5000倍、木酢液×500倍添加
※これ以降チャンスがあればEM散布(10回以上)

葉面散布

がく割後
5月上旬

病虫害防除

黒星病防除剤(イオウF.
カイガラムシ(アプロードF.)

葉面散布

幼果期
5月中旬~下旬

病虫害防除

黒星病防除(イオウF.
ハモグリガ(カスケード乳.
※ナシマルカイガラムシ発生に特に注意

葉面散布

防袋・着色・収穫期
6月下旬~8月下旬

EM活性液

 

EMの徹底散布 葉面散布
9月上旬

害虫防除

カイガラムシ(スプラサイド) 葉面散布

肥培管理
9月中旬

EMボカシ

200300kg10a
EM処理堆肥3t10a
二千倍活性液潅水散布

土壌施用、
土壌散布(潅水時)

 

◆ブドウ栽培管理(EM散布、防虫害防除、肥培管理)

施用時期 種類 施用量 施用方法

休眠期
2月中旬~3月上旬

 

越冬病虫害防除

コクトウ病、つる割病、カイガラムシ

機械による粗皮むき
(バークストリッパー)
EM百倍活性液×100倍希釈

EM百倍活性液×50倍希釈
百倍利器200L培養(EM12LEM21LEM31L、ニガリ:2L、糖蜜:4L、発酵C20gEMX-Gold200ml、食塩6kg
・木酢液×500倍希釈
EM7×5000倍希釈
・発酵C×5000
・アップルビネガー×300倍希釈

葉面散布(3月下旬以降チャンスがある時に)

二千倍活性液35t10a
(1tタンク2基:百倍活性液50L、糖蜜22kg、食塩10kg)

土壌散布(潅水時)

発芽前
4月下旬

越冬病菌害防除

コクトウ病、つる割病、晩腐病
(ベンレート水和剤)
※除デラウエア、巨峰、ベリーA

葉面散布

開花期前後
5月中旬~6月中旬

ブドウ無核化

ジベレリン2回処理
1回目ジべ処理後摘粒作業開始
※2回目ジベ処理後直ちに袋かけ

落花直後

病菌防除

ベト病、灰色カビ病、コクトウ病
(ホライズンドライF.)

葉面散布

7月上旬

病菌防除

 

ベト病、さび病、晩腐病、灰色カビ病(ICボルドー66D×40倍希釈) 葉面散布
7月下旬

病菌防除

ベト病、さび病、晩腐病、灰色カビ病(ICボルドー66D×40倍希釈) 葉面散布

肥培管理
10月中旬

EMボカシ

5kg10a
EM処理堆肥2t10a
※樹周り3~5mの範囲に散布

土壌施用

     

    5.雑草緑肥草生栽培


    緑肥:雑草
    刈り取り時期:4月~10月まで合計10回
    方法:乗用草刈り機

     

    6.EMセラミックスの活用による土壌改善と病虫害対策

    EMセラミックス紛体の施用方法】

    • 土壌施用30kg / 10a(初年度)以降10kg / 10a
    • 葉面散布EM活性液に5,000分の1の紛体を混入してSS(スピードスプレーヤー) にて年10数回散布(50倍希釈)
    • 詳しくは桃栽培管理ブドウ栽培管理を参照


    2000年

    2017年の状態

     

     

     

     

     

     

     

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